あの後楽園球場での『キャンディーズ ファイナル・カーニバル』から41年。
ついに伊藤蘭さんがソロ歌手として私たちの前に戻って来た。
2019年6月11日(火)に行われた『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート 2019』初日公演の模様については、先日の別記事でご紹介した。
若々しい蘭さんの歌声と笑顔に酔いしれたのだが、当初は2日目(2019年6月12日(水))の公演には行くつもりはなかった。と言うのも、間隔が空いていればまだしも、2日連続で参加すると記念すべき初日公演の感激が薄れてしまうのではないかと思ったから。
なので、チケットも初日分しか持っていなかったのだが、初日公演が終わって会場であるTOKYO DOME CITY HALL(東京ドームシティホール)を出ようとした時に、「明日のチケットを販売しています!」とのスタッフの声が耳に飛び込んできた。
意志の弱い私は、「どんな席があるのか見るだけなら・・・」と列に並んでしまった。
すると、なんとアリーナ席があるではないか!
こりゃ買わない理由が無い、ということで2日目の公演にも参加することになった。
この記事では、初日公演との違いや感想などを中心にレビューしたい。
なお、コンサートの構成やセットリストは基本的に初日と同じなので、それについては別記事をご参照頂きたい。

2019年6月12日(水)。
開場時刻18:00頃にTOKYO DOME CITY HALLに到着すると、開場の遅れた初日とは違い、既に入場が始まっていた。
驚いたのは、入場の長い列とは別に当日券(当日引換券でのチケット受け取りを含む)を求める長い列ができていたこと。
初日公演の模様がテレビ、新聞、ネットなど多くのメディアで取り上げられたことから、ファンが駆け付けたのだろう。
色んな事情から蘭さんのコンサートのチケットは買っていなかったけれども、報道を見て居ても立っても居られなくなった人。メディアの情報を見て初めてコンサートのことを知って慌てて駆け付けた人。初日に参加して満足したけれども、1日たったらもう一度参加したくなった人。
そういった人たちの列ではなかったのだろうか。
全員が無事チケットを手にすることができたかどうかはわからないが、売り切れとなったことは間違いないだろう。
2日目も、たくさんのお花が出迎えてくれる。
蘭さんのソロ・デビューアルバム『My Bouquet(マイ・ブーケ)』にふさわしい華やかさだ。
気付いたのは、初日よりもお花が更に増えていること。
本当にたくさんの方に応援されていることがわかる。
初日から飾られていた小松政夫さんからの”表彰状”
早めにアリーナ席に着くと、初日の第1バルコニー席とは景色が違うことに気づく。
第1バルコニーからは蘭さんの全身はもちろん、ステージ上も全く障害物無しでよく見えた。
アリーナ席はステージまでの距離は第1バルコニー席より近いものの、アリーナに傾斜がつけられていないため、どうしても前に座っている方々の頭で隠れてしまう。それでも、前の列の方の真後ろではなく、互い違いになるように席が配置されているため、致命的ではないのがうれしい。
着席して心を静めていると、周囲の人たちが振り返ってささやいている。
「・・・来てる。」
え? 誰が来てるって?
振り返って第1バルコニーの関係者席に目をやると、ひと際輝く女性が微笑んでいるのが目に入る。
思わず息をのむ。
「ミキちゃんだ!!」
41年たっているが、すぐにわかった。
三日月形の目でほほえむやさしそうな表情はあの頃のまま。
てっきり初日公演をどこかで一緒に見ていたものとばかり思っていた。
報道でも、初日にミキちゃん(藤村(旧姓)美樹)が来ていたと。
2日続けて来場されたのかどうかはわからないが、2日目の公演には確実にいらっしゃっているのは間違いない。
何しろ自分の目で見たのだから。
人生で最もミキちゃんに接近した瞬間である。
何人かのファンに快くサインをしていたが、私は自粛。
緊張してしまって、ミキちゃんに手を振るだけで精一杯だ。

そんなうれしいサプライズのあった2日目公演が始まる。
この日は収録用のカメラが入っている。
8月にCSテレ朝チャンネル1で放送予定だからだ。
初日とは違う蘭さんが見られるかもしれない。
オープニング。
ステージと客席を隔てる薄いスクリーンに映し出される文字から、『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート 2019』は、1978年4月4日の後楽園球場の延長戦上にあることを感じさせられる。
2日目なので、一文字一文字をかみしめるように読むことができる。
蘭さんが登場し、1曲目は『walking in the cherry』。
2日目のためか、それともテレビ用かわからないが、最初のMCでは少しジョークを入れる余裕も。
コンサートが進行していく中で、客席の反応が初日とは明らかに違うことに気づく。
初日は、どんな曲をどんな順番で歌うのか、構成・演出はどうなっているのか、今の蘭さんをどのように応援すればいいのかなど、誰もがわからない状態だった。
だからこそ新鮮であり、意外な曲のイントロにどよめき、蘭さんの一言一言に集中し、蘭さんとキャッチボールをするようにコンサートを作り上げた。
しかし2日目は少し違う。
セットリストや衣装、構成などの情報を事前に仕入れている人や、初日にも参加したファンが少なくないからだ。
初日にはどよめきが起こったシーンでも、意外に客席が落ち着いていることも。
その一方で、初日よりも多くの歓声が飛び、総立ちではないものの立ち上がるファンは2日目の方がかなり多かった。
そんな中で、ひときわ大きな歓声が上がる瞬間があった。
キャンディーズのヒット曲を4曲歌うのだが、その1曲目『春一番』のイントロが始まった瞬間。
それは、初日も盛り上がったシーンだったのだが、この2日目の公演では、会場に鳴り響く破裂音とともにシルバーのテープが頭上から舞い降りたのだ。これは初日には無かった演出だ。
明らかに『春一番』だとわかるイントロのリードギターとシルバーのテープが見事にシンクロ。
静かに蘭さんの詩の朗読を聞いていた客席に歓声が上がり、一気にヒートアップする。
早くも名曲揃いと評判のソロアルバム『My Bouquet』だが、『春一番』『その気にさせないで』『ハートのエースが出てこない』『年下の男の子』と続くキャンディーズメドレーは別格。
当時のアレンジを踏襲してくださったバンマスの佐藤準さんに感謝、感謝だ。
1曲ごとに盛り上がる会場の中で、私も初日以上の声援と拍手・手拍子で”ランちゃん”を応援。
41年分の思いを込めて「ランちゃ~ん!!!」。
最高に盛り上がったコンサートにも終わりの時間がやって来る。
アンコールはアルバム『My Bouquet』から『あかり』。
お互いに元気でいればまた会えると言ってくれた蘭さん。
また、これからも歌い続けていくとも。
必ず、必ず次のラッキーチャンスが近いうちに訪れることを強く願いながら席を立つ。

後ろを振り向いて第1バルコニーを見ると、既にミキちゃんの姿は無かった。
少し離れた席にはピンクレディーのケイちゃんこと増田惠子さんの姿が。
最後の最後までしっかり楽しまれたようで、混雑がはけてから出ようということか。
キャンディーズファンからの声掛けに応じながら、席に腰を下ろしたままだった。
聴けば聴くほどその良さ、味がわかるソロアルバム『My Bouquet』。
そして、蘭さんやソニーミュージックの本気度が感じられた『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート 2019』。
バックバンドやダンサーにも素晴らしいメンバーが揃っていた。
東京で2日間、大阪で1日、合計3日間のコンサートでは何とも惜しい。
是非ともツアーやライブハウス等での再演を期待したい。
いや~、それにしても良かった。
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